みなさんは、青春18きっぷをご存知でしょうか?
普通列車や快速列車に乗り放題となるおトクな切符で、旅行や帰省でお金を節約したい人に人気の切符です。
しかし、使ったことがない方だと、
「なんとなく、列車に乗り放題になる切符というイメージだけどよくわからない!」
「気にはなるけど使い方や購入方法がわからない!」
という方も多いはず!
今回は、そういった疑問を解決するために、青春18きっぷについて詳しく解説したいと思います。
青春18きっぷの特徴(2023年時点)
・JRの普通列車や快速列車に5日間乗り放題になる切符
・お値段は5回分で12,050円。
・春、夏、冬に期間限定で販売
・長距離移動なら破格の値段で列車に乗れる
青春18きっぷとは

青春18きっぷとはJRが発売する切符で、ざっくり言うと普通列車や快速列車などに乗り放題になる切符です。
5日分が1枚になっており、お値段は12,050円。1回あたり2,410円です。
1人で5日使う必要はなく、5人で1日や、2人で2日+1人で1日など、自由な使い方ができます。(後述)
なお、青春18きっぷという名称ですが、年齢制限はありません。
実際に、18歳を超える大学生や社会人、家族で使用される方もたくさんいらっしゃいます。
販売期間・使用期間・料金
例年、年3回の長期休みに合わせて販売されます。
(2023年時点の情報です。例年期間は同じですが、JRのホームページなどでご確認ください。)
春:3月1日~4月10日(販売期間2月20日~3月31日)
夏:7月20日~9月10日(販売期間7月1日~8月31日)
冬:12月10日~1月10日(販売期間12月1日~12月31日)
料金は、5回分で12,050円。(1日あたり2,410円)
バラ売りはありませんが、金券ショップに行けばバラ売りの状態で購入できることもありますし、
余ったものを売ることもできます。
どれくらいお得か
青春18きっぷの価格は5日分で12,050円ですから、1日当たり2,410円です。
例えば東京から名古屋に行く場合、
(新幹線のぞみ)11,300円
(普通列車のみ) 6,380円
(青春18きっぷ)2,410円
と、
新幹線で行く場合の4分の1以下。普通列車(青春18きっぷなし)で行く場合と比較しても半分以下の値段で移動できるので、かなりおトクです。
当然ですが、移動距離が長くなればなるほどおトクになります。
また、学生さんの場合は、学割利用で乗車券が2割引となりますので、学割利用よりも安くなるかの比較も忘れないようにしましょう。
青春18きっぷの楽しみ方
長距離になればなるほど、おトクに移動できる素晴らしい切符。
しかし、新幹線や特急列車のような快適な座席は少なく、移動時間も長いため、疲労もたまりやすいです。
特に青春18きっぷシーズンの土日祝は混雑しがちで、
年末の12月29日あたりは地方の路線ですら満員電車になることもあります。
そのため、体力のある方以外は、途中での楽しみを見つけながら旅行や帰省をするといいでしょう。
〇途中駅で降りて観光や食事を楽しむ

乗り放題ですので、好きな駅で降りて、道中の旅を楽しめるのがが青春18きっぷの最大の魅力です。
例えば、東京から大阪に行く途中、名古屋駅で降りて味噌カツを食べたり、彦根駅で降りて彦根城を見たりすることもできるわけです。
新幹線ではできない道中の旅を楽しむのもいいでしょう。
〇車窓を楽しむ

新幹線だとゆっくり景色を眺める時間は少ないですが、普通列車だとのんびり車窓を眺めることが可能です。移り変わる車窓を眺めたり、町の雰囲気を楽しみながらゆっくりとした時間の流れを楽しむのもいいでしょう。
〇家族や友人との会話をたのしむ
複数人であれば、この方法もいいですね。観光してる時間は楽しいですが、観光に夢中だと意外と最近の話や身の上話をする時間がないこともあるのではないでしょうか。
移動の時間が長い分、ぜひ好きな話で盛り上がりましょう。(盛り上がりすぎて迷惑にならない範囲で)
購入方法
購入方法は2種類。窓口で購入する方法と、券売機で購入する方法があります。
窓口の場合
窓口で購入する方法はすごく簡単!
「青春18きっぷ1枚ください」と言うだけです。(笑)
JRのみどりの窓口であれば全国どこでも販売していますので、最寄りの駅に買いに行けば問題ありません。特に枚数限定とかもありませんので、先ほどの販売期間ならいつでも購入できます。
なお、現金とクレジットカードが使用できます。
券売機が不安な方は、窓口で購入すれば間違いないでしょう。
券売機の場合
駅の窓口だと混雑していることがあるので、その場合は券売機の購入もオススメです。
券売機での購入は初心者にはハードルが高いと思われるかもしれませんが、やってみるとすごく簡単です。
まず、青春18きっぷを購入できる券売機と購入できない券売機があるので、「指定席券売機」を探しましょう。(ない駅もあります。)
新幹線や特急列車の切符を売っている券売機のことです。JR西日本ではみどりの券売機と言われています。新幹線が止まる駅なら必ず設置されています。
それ以外の駅でも、主要な駅なら設置されている駅が増えています。
購入方法はJRの会社により異なる可能性もありますが、「おトクなきっぷ」というボタンがありますので、そのボタンを押して、青春18きっぷを探すだけです。
画面には、「青春18きっぷ」と、「青春18(北海道新幹線オプション券)」の2種類が出てくる場合がありますが、「青春18きっぷ」のボタンを押してください。
窓口と同様、現金とクレジットカードが使用できます。
乗車の手順
乗車する方法は簡単!駅の有人改札で青春18きっぷを見せるだけです。自動改札は使用できませんので、必ず駅員さんのいる有人改札を通りましょう。
駅員さんに見せると、スタンプを押してくれるので、改札の中に入ります。
改札に入った後は、好きな列車に乗車すればOKです。(乗車できる列車は後述)
JRの駅であれば、日本全国どこへでも行くことができます。
日帰り旅行で同じ駅に戻ってきてもよし、1泊2日の予定でも、予定があって乗った駅と違う駅で降りるのも自由です。
列車を降りる際は、有人改札で青春18きっぷを見せれば改札に出られます。
1回スタンプが押されると、その一日は自由に列車に乗車できますので、駅の改札を出てから再度改札の中に入るときは、もう一度改札で切符を見せればOKです。
なお、2人以上で行動する場合は、「2人分です。」と言うとスムーズに通れます。

乗車できる列車

乗車できる列車
ざっくり言うと、普通列車や、快速列車などの自由席に乗車できます。
快速、新快速、特別快速、区間快速、快速アーバン、大和路快速など、快速と名の付く列車なら乗車できます。
また、別に指定券や整理券・グリーン券を購入すれば次のような列車に乗れます。
・湘南ライナー、ホームライナーなど、○○ライナーという名前のもの
・普通列車、快速列車の指定席
・普通列車のグリーン席
また、気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)と、JR西日本宮島フェリーにも乗車できます。
乗車できない列車
逆に、乗車できない列車は以下のものです。
1 新幹線や特急・急行列車
各新幹線と、特急、急行の名前が付いている列車は乗車できません。
特急料金を別に支払っても乗車できないので、どうしても乗車したいなら、新幹線や特急に乗る全ての区間の乗車券・特急券が必要です。
(例:宇都宮から東京まで普通列車、東京から熱海まで新幹線で行く場合、
青春18きっぷと、東京から熱海までの乗車券・特急券が必要です。)
2 JR以外の列車
JRの切符なので当然と言えば当然ですが、気を付けたいのが直通運転。
JRと直通運転している列車もありますので、不安な方は乗り換えアプリや時刻表検索で路線を確認しましょう。
※例外として、青い森鉄道線の「青森~八戸」、「青森~野辺地」、「八戸~野辺地」、あいの風とやま鉄道線の「高岡~富山」、IRいしかわ鉄道線の「金沢~津幡」を通過してJR線を乗り継ぐ場合のみ乗車できます。(途中駅での下車は不可)
3 JRバス
JRという名前が付くので乗れそうな気もしますが、乗車できません。
(ただし、災害時などに運転される代行バスは乗車できます。)
※例外的に新幹線や特急列車に乗車できるケース
・普通列車の運行本数が少ないor普通列車の運転がないケース
奥羽本線「青森~新青森」、石勝線「新得~新夕張」、宮崎空港線「宮崎~宮崎空港」、佐世保線の「早岐~佐世保」は、特急列車の自由席に乗車できます。また、青森~新青森は、全車指定席の快速列車の空席も乗車できます。
・北海道新幹線新幹線「奥津軽いまべつ~木古内間」
この区間は、在来線の定期列車がないので、別途「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を購入すると新幹線に乗車できます。(青春18きっぷとオプション券の2枚が必要)
また、この組み合わせで、道南いさりび鉄道線「木古内~五稜郭間」も乗車できます。(これらは、片道1回ずつのみです。往復の場合は行きと帰りで別に必要です。)
5日分の組み合わせ
青春18きっぷは全部で5回使用できますが、組み合わせ方は自由で、1人で5日使う必要はなく、5人で1日や、2人で2日+1人で1日など、自由な使い方ができます。
また、連続した5日でなくても、問題ありません。
イメージとしては、回数券のようなイメージを持っていただければ問題ないです。
(例)
- 1人×5日
- 2人×2日+1人×1日
- 3人×1日+2人×1日
- 4人×1日+1人×1日
- 5人×1日
など、人数×日数が5になる全ての組み合わせが可能です。
ただし、複数人が同時に使用する場合は、注意が必要です。
複数人で使用する場合の注意点
複数人で使用する場合、全員が一緒の列車に乗車する必要があります。切符を持たずに乗車するわけにはいかないですからね。
これは、切符を使用している間は一緒に行動するという意味ですので、途中駅で合流して一緒に行動することは可能です。
例えば、品川駅周辺に住むAさんと横浜駅周辺に住むBさんが二人で浜松に行く場合、次のようにすれば青春18きっぷを使用することが可能です。

品川駅からAさんが乗車(1ヶ所目にスタンプを押してもらう)
↓
横浜駅で下車。Bさんと合流して2か所目にスタンプを押してもらう
↓
浜松まで同じ列車で移動
1日の範囲はどこまで?
夜遅くまで行動する場合は注意したいポイントでしょう。

原則0時~24時まで
原則的なルールは、こよみどおり0時~24時までを1日としてカウントしているので、0時を過ぎた場合は翌日としてカウントされます。(厳密には、0時を過ぎて最初に停車する駅まで有効です。)
終電ではありませんので注意が必要です。
0時以降も乗車する場合は、青春18きっぷの翌日の分にスタンプを押してもらうか、日をまたいだ分の料金を支払う必要があります。
翌日も青春18きっぷを利用する予定であれば、翌日分にスタンプを押してもらえば問題ありません。そうでない場合は少しだけの区間に1日分使用するのはもったいないので、降りる駅の窓口や車内で清算するといいでしょう。
(夜になると無人駅になる駅もあるので、その場合は、車掌さんに言って車内清算してください。)

終電まで乗車できる場合
ただし、終電まで乗車できる場合があります。
それは、東京近郊や大阪近郊の「電車特定区間」という区間の列車に乗車する場合です。
この区間では、0時までではなく、終電まで乗車できます。
下に電車特定区間の図を貼っておきますので、確認されるといいでしょう。
画像:JRおでかけネット
5回分使い切れずに残った場合
5回分で1枚の切符なのですが、なかなか使い切るのも難しいはず。
使い始めたら駅で払い戻すことはできないので、頑張って5回分使い切るか、友人に譲ったり、チケットショップで買い取ってもらうといいでしょう。
注意点
振替輸送について
災害や事故などで列車の運休や大幅な遅延があった場合、普通の乗車券であれば、振替輸送と言って、私鉄や新幹線などに乗ることができる場合もあります。
しかし、青春18きっぷは原則として振替輸送の対象外です。そのため、列車の運転再開を待つか、自腹で新幹線や私鉄に乗車する必要があります。
(JR各社の判断で、まれに青春18きっぷでも振替輸送の対象になることもありますが、あくまでルールではなく、JR側の判断によるものです。トラブルの際には、駅や車内のアナウンスをよく聞くようにしましょう。)
混雑について
注意点というほどでもないですが、青春18きっぷシーズンの土日祝は、青春18きっぷを利用して外出する方が多いので、通常時よりも混雑します。
特に、お盆、年末年始シーズンは大混雑で、仕事納めの翌日なんかだと満員電車になることもしばしば。この状態で何時間も移動するのはかなりしんどいので、覚悟が必要です。朝早く出発するか、時間にゆとりをもって休憩しながら行く、などの対策が必要になることもあります。
また、改札も混雑して5分くらい並ぶこともありますので、時間に余裕を持つといいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか、青春18きっぷはとてもおトクな切符で、色んな方に使ってほしい切符です。
この記事を読んだ方なら、問題なく利用できると思いますので、ゆっくり旅行や帰省を楽しんでみてはいかいっしょにがでしょうか。