みなさんは、お出かけの際に、
「旅行で2か所に行きたいけど、1枚の切符で途中で降りれたらいいのにな~」
なんて思うことはありませんか?
実は、乗車券の途中で降りることは可能なんです!
しかも、裏ワザではなく、
「途中下車」という正式な制度として認められているんです!
今回は、そんなの途中下車のルールを解説します!
旅慣れしている人や鉄道マニアなら当たり前のように利用している制度ですが、
意外と知られていないルールなんですよね。
切符を分けて買うよりもおトクになることも多いですので、
ぜひ最後まで読んで理解してくださいね!
途中下車って何?
みなさんは、「途中下車」って聞いたことがありますか?
某テレビ番組の影響もあり、単に旅行の途中でどこかによることを意味するとお思いの方も多いのではないでしょうか?
実はコレ、単に途中でどこかに寄ることを意味するのではなく、
1枚の乗車券の途中駅で乗り降りできるという鉄道会社の制度のことを意味します!
例えば、次のようなことが可能です!
東京を出発し、名古屋で昼ご飯を食べてから京都に行く場合、東京から京都までの乗車券を購入すれば、名古屋駅でいったん降りてお昼ご飯を食べ、再び名古屋駅から列車に乗車して京都に行くことができる。
詳しく見ていきましょう!
制度について
基本的には、乗車券に書いてある区間の途中駅で降りられるというシンプルなものです。
降りる駅で、乗車券を自動改札に通すだけです。
(出てきた切符を貰い忘れないでくださいね。)
新幹線を利用する場合は、使用済みの特急券も一緒に改札に入れましょう。
めちゃくちゃ簡単ですよね?
回数制限もありません。
筆者は、学生時代の長旅で、1枚の切符で10回以上途中下車したこともあります。
自動改札の設定によっては通れないこともありますので、その場合は有人改札を利用しましょう!
最近では、ほとんどの改札が途中下車に対応している気がしますが
しかし、途中下車ができる条件や注意点がいくつかありますので、ご紹介します。
1 乗車券の距離が片道100キロを超えること
片道の距離が100キロまでの切符は「近距離きっぷ」と呼ばれています。
よく見る小さいサイズの切符のことです。
短い距離であれば「途中下車」の必要性がないという理由なのかは不明ですが、
100キロまでの切符では途中下車はできません。
近距離きっぷを見ると、「下車前途無効」と書いてありますが、これは「途中下車不可」という意味です。
目的地まで100キロあるか不安な場合は、乗り換えアプリや路線検索で確認するといいでしょう。
なお、窓口や指定席券売機で購入すると100キロまでの切符でも水色の大きい切符が出てきますが、この切符でも同様に途中下車はできません。
2 大都市近郊区間内で完結しないこと
なんだか難しい単語が出てきましたね(笑)
簡単に説明すると、
乗車券に書かれている出発地と目的地が下の路線図の範囲内(大都市近郊区間内)で完結する場合、途中下車はできません!
(東京駅→大阪駅など、出発地と目的地が違う大都市近郊区間内の場合は途中下車可能です。あくまで東京駅→宇都宮駅など、出発地と目的地が両方が同じ大都市近郊区間内の場合です。)
という意味です!
(例)宇都宮から熱海まで、新幹線を利用せずに宇都宮線~上野東京ライン~東海道本線経由で行く場合は、100キロを超えますが、大都市近郊区間から1歩も出ることがありませんので、途中下車はできません。
画像引用:JR東日本
この(例)の場合で途中下車をしたい場合の裏ワザがあります。
大都市近郊区間から少しでも範囲が外れれば途中下車が可能になるので、熱海ではなく、熱海の一つ先の函南駅まで切符を買えば途中下車できます。
乗車券の区間を途中で放棄することもできるので、宇都宮~函南の切符で、熱海までしか使用しなくても問題ありません。
あるいは、大都市近郊区間と並行する新幹線は大都市近郊区間とならない場合がありますので、途中で並行する新幹線を含む切符にしてしまうのも一つの方法です。
上の路線図を見て、「新幹線で○○~○○間ご利用になる場合は含まれません。」と書いてあればこの方法が可能です。
(新幹線と在来線が並行する場合は、どちらの乗車券でも同じように使えますので、乗車券だけ新幹線経由にして在来線を利用しても問題ありません。逆もしかりです。)
3 回数券や、一部のトクトクきっぷ、旅行商品は利用できない
回数券や、一部のトクトク切符では利用できません。
こちらは切符によりますので、事前に確認されるといいでしょう。
また、「ぷらっとこだま」などの旅行会社が提供する商品は、あくまで旅行商品となり、厳密には切符ではありません。そのため、基本的には途中下車ができない場合がほとんどです。
4 途中下車は乗車券の制度なので、特急券やグリーン券はその都度購入する
こちらも注意すべきポイント。
途中下車というのは、そもそも乗車券についての制度です!
乗車券以外の切符に途中下車という概念はありません!
つまり、特急券は改札を出たら無効になります。
そのため、新幹線利用時に途中下車する場合は、次のようになります。
(例)東京駅から東海道新幹線に乗車し名古屋駅で途中下車、
再び名古屋駅から新幹線に乗車して京都駅まで行く場合。
<必要な切符>
・乗車券(東京→京都)
・特急券1(東京→名古屋)
・特急券2(名古屋→京都) 計3枚
<改札で通す切符>
・東京駅の改札に入る・・・乗車券と特急券1
・名古屋駅の改札を出る・・乗車券と特急券1(特急券1は回収される)
・名古屋駅の改札に入る・・乗車券と特急券2
・京都駅の改札を出る・・・乗車券と特急券2
5 市内駅では、途中下車不可
JRでは、乗車券の距離が200キロを超える場合で、札幌、仙台、東京23区、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、北九州、福岡の市内を出発駅または到着駅とする場合は、その市内であればどの駅から乗車(下車)しても同じ料金になりますよという制度があります。
これは、対象となる市内を出発駅or到着駅とする乗車券を購入すると、自動的に市内駅の切符が出てきます。
このような、切符がそうですね。この乗車券は、仙台市内の好きな駅を到着駅にすることができます!
出発駅が○○市内or東京23区内となる場合も、同様に市内の好きな駅から乗車することができます。
その代わり、市内駅or23区内駅の範囲では、途中下車ができません。
上記の写真の場合、仙台市内の駅では途中下車ができません。
(仙台市内の駅以外では途中下車が可能です。)
他の例を出しましょう。
(例)東京23区内→大阪市内の乗車券を利用し、
上野駅から大阪駅まで行く場合
・東京23区内の東京駅や品川駅などは途中下車できない
・東京23区を出た後、大阪市内に入るまでの駅は途中下車できる
(横浜駅や京都駅など、市内・区内駅以外の途中の駅は全て途中下車できる)
・大阪市内の新大阪駅などでは途中下車できない。
また、似たような制度で、100キロを超える場合の乗車券のは「山手線内」と表示され、山手線とその内側にある中央線ではどの駅でも乗車(下車)できますよという制度もあります。
この場合も、市内駅と同様、山手線内(山手線と、山手線に囲まれた中央線)の駅では、途中下車できません。
どうしてこんな制度があるの?
どうしてこのような制度ができたのでしょうか?
ここからは、筆者の勝手な推測ですので、間違っているかもしれないのでご了承ください。
かつて、鉄道が全国に普及したころは、今のように新幹線もなく、時間のかかる移動が多かったはずです。飛行機も普及しておらず、長い距離を2日も3日もかけて鉄道で移動するなんてザラでした。
今よりも駅弁や夜行列車などが多いとはいえ、何日もの間でどこにも降りずに目的地にたどり着くなんてことはかなり大変でしょう。
そういった背景から、途中下車という制度ができたのではないかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
乗車券を有意義に利用できる途中下車などについて説明しました!
切符のルールは難しいですが、理解すれば思っていたよりも経済的or便利にに旅行ができることも多いです!
これからも様々な情報を載せていきたいと思いますので、よろしくお願いします!