日本で最も有名な温泉の一つ「草津温泉」
旅情あふれる温泉街の雰囲気も人気ですが、温泉の成分も人気の理由の一つ!
草津温泉は、泉質にも自信のある温泉なのです!
今回は、そんな草津温泉のお湯に注目してみたいと思います!
草津温泉の歴史・場所について
草津温泉とは、群馬県吾妻(あがつま)郡草津町の標高1000メートル以上の場所に位置する温泉。
古い歴史があり、古墳時代に日本武尊(ヤマトタケル)や、奈良時代に行基が既に発見されていたという説があります。
江戸時代の温泉番付では、一番上位の大関が定位置だったころからも、古くから人気の温泉であったことがうかがえます。(ちなみに、西の大関は有馬温泉)
泉質・成分・pH
草津温泉には、いくつかの源泉があり、それぞれで泉質は若干異なりますが、代表的な源泉「湯畑」で説明します。
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)で、pH=2.08です。
なかなか長い成分ですが、硫酸イオンや塩化物イオンなどを多く含み、さらに硫黄やアルミニウムを含む酸性の温泉であることを意味しています。
pHは、水溶液中に溶けている水素イオンの濃度を表す指数で、pH=2.08だと強い酸性であることを意味します。
1円玉を浸けておくと1週間くらいでなくなってしまうんだとか。肌への刺激が強く、長時間使っているとピリピリすることもあります。
日本の温泉の多くは中性、弱アルカリ性であるので、酸性の温泉は全国的は少ない温泉であり、たいへん価値のある温泉です。
ちなみに、日本一pHの数値が少ないと言われている秋田県の玉川温泉はpH=1.08だそうです。これは胃酸とほぼ同じ濃度であり、単純計算で草津温泉の10倍の濃さとなる計算です。恐ろしい...
余談ですが、貨幣を損傷させるのは犯罪になる可能性があるので、実験でも1円玉は溶かさないでくださいね。
温泉の匂いは硫黄の匂い??
草津温泉にくると、温泉街独特の匂いを感じると思います。
一般的には「イオウの匂い」と言われますが、厳密に言えば「硫化水素」の匂いです。
後ほど説明しますが、草津温泉には、火山由来の成分が多く含まれます。
そのなかの一つが硫化水素であり、温泉を象徴する匂いとなっています。
また、
また、草津温泉の湯畑では湯の花が取れますが、温泉に含まれる硫化水素から、硫黄だけが残ったのが湯の花なんだそうです。(温泉により成分は異なります。)
ちなみに、この硫化水素には金属を腐食させる作用がありますので、温泉街にある地元の方の車などを見ると、黒く変色している様子が見られることでしょう。
この匂いを嗅ぐと、温泉に来たと感じてしまうので大好きです!
金属の腐食についてですが、旅行で泊まるくらいなら変色しないので心配しなくて大丈夫です!
でも地元の方は大変ですよね…
効能
そんな酸性の温泉である草津温泉には、強い殺菌作用があり、皮膚病に効くと言われています。
また、一般的に言われている効能は以下のとおりです。
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節の強張り、打ち身、挫き、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、動脈硬化症、切り傷、火傷、虚弱児童、慢性婦人病、糖尿病・高血圧症など
泉質の決め手は火山?
そんな草津温泉の泉質を決めているのは火山だと言われています。
草津温泉の西には白根山という火山があります。白根山から流れてくる地下水に、火山ガス(硫化水素など)が溶け出すことで、硫酸イオンを含む強い酸性の温泉が湧きだしているとされています。
そのため、草津温泉だけでなく、万座温泉などの白根山周辺にある温泉も同様に酸性の温泉となっています。白根山の噴火が話題に上がることもありますが、白根山あっての草津温泉なのです。
硫酸って聞くと危険なイメージがあるかもしれませんが、
皮膚につくと危険な硫酸とはちょっと性質が違うのでご安心を。
草津温泉は厳選かけ流し!
ところで、草津温泉は厳選かけ流しを主流としています。
草津温泉は、全国的にも酸性が強く、高い殺菌力を持ちます。その素晴らしい泉質や効能をを薄めることなく存分に味わうことができます。
また、草津温泉の源泉は50℃~90℃程度のものが多く、そのまま浸かるには熱すぎます。
水で薄めれば簡単に温度を下げられますが、それでは温泉に含まれる有効成分も薄くなってしまいます。
そこで、温泉を薄めずに温度を下げるため、いくつかの方法が編み出されました。
湯もみ
草津温泉では、湯もみという文化があります。
これは、草津節のリズムに合わせて、木の板でお湯に空気が触れるようにかき混ぜながらお湯を冷ます作業です。
現在では、湯もみショーなどが有名で、観光客向けの要素が強くなっていますが、最初は違っていました。
明治時代になると、草津温泉がらい病(ハンセン病)治療に効果があるとされ、多数の湯治客が訪れるようになりました。
湯治客にとっては、効能を最大限に得るために、お湯を薄めることなく、源泉のまま浸かることが必要でした。
その際に編み出された湯もみ。湯治客自らが湯もみによってお湯をさまして入浴するという方法が取られました。
これが、湯もみの発祥なのです。
湯畑もお湯を冷ますのが目的
草津温泉の温泉街の中心にあり、シンボル的存在の湯畑も、お湯を冷ます目的を持っています。
湯畑では、岩手県産のアカマツを使用した長さ40メートルの長い湯桶が7本使用されています。この源泉は60℃程度ですが、この長い湯桶を通すことで適温になるよう、お湯を冷ましているのです。
また、湯畑のもう一つの目的として、「湯の花」を採取することが挙げられます。
長い湯桶を通る中で、温泉に含まれる硫化水素が空気中の酸素と反応して硫黄だけが残り、湯の花になるんだとか。
まとめ
いかがでしたか。
草津温泉は風情のある温泉街の雰囲気だけでなく、
温泉の泉質・効能も素晴らしい温泉なのです。
ぜひ一度、そのお湯の魅力を肌で感じ、
心も体も健康になってみてはいかがでしょうか?