誰もが知っている物語「かぐや姫」、もしくは竹取物語。
静岡県富士市には、そんなかぐや姫伝説にまつわる場所がいくつもあるんです!
今回は、岳南電車に乗ってかぐや姫ゆかりの地めぐりをしたいと思います!
岳南電車の比奈駅から歩いて回るのは大変でしたが、ちょっぴり切ない竹取物語の雰囲気にしたることができました。
距離が短めのコースも紹介するので、体力に自信がない人も大丈夫です!
ぜひ最後まで読んでくださいね。
富士に伝わるもう一つの竹取物語とは??

竹取物語とは、奈良時代・平安時代ごろから伝わる物語で、誰もが知っていることでしょう。
一般的に伝わる竹取物語では、大人になったかぐや姫は月に帰るというお話でしたが、富士に伝わる竹取物語は少しお話が違います。
竹から生まれたかぐや姫は、みるみるスピードで育ち、美しい姫に育ちました。
かぐや姫という美しい女性のことを知った国司(地方役人)が、かぐや姫に猛アタック。最初、かぐや姫は応じませんでしたが、国司が姫のもとへおしかけて数年間暮らしたそうな。しかし、ある日、かぐや姫は「富士山に帰る」と言い出し、1人で去ってしまいました。

これを悲しく思った国司が後を追って富士山の頂上まで来てみると、そこには大池があり、そこには宮殿と、天女の姿になったかぐや姫の姿がありました。
その姿にショックを受けた国司は、悲しさのあまり池に身を投げて亡くなったとのこと。
そんな切ない物語なのです。
筆者オススメのモデルコース3パターン

鉄道利用であれば、JR吉原駅から岳南電車に10分ちょっと乗車し、比奈駅で下車することになります。
比奈駅から竹採公園までは片道1キロほど。駅前のみちをまっすぐ進み、直前で右に曲がるだけというシンプルな道のりです。近くにある瀧川神社も一緒に参拝しましょう。
個人的にオススメする3コースを紹介しますので、体力と時間に合わせて選んでください。

コースA(2.0キロ)
比奈駅→竹採公園→瀧川神社→比奈駅
体力に自信がない方、大事なところだけ見たい方にオススメ
コースB(3.5キロ)
比奈駅→竹採公園→瀧川神社→寒竹浅間神社→岳南富士岡駅
神社や名称を全部見たい方にオススメ
コースC(4.3キロ)
比奈駅→竹採公園→瀧川神社→囲いの道→見返し坂→寒竹浅間神社→岳南富士岡駅
関係する場所全部見たい方にオススメ
コースBやCになると歩く道のりが長くなり、とくにコースCは坂道もあるので、体力に自信がないと辛いかもしれません。
なお、竹採公園以外は駐車場がありませんので、お車の場合は、竹採公園と瀧川神社だけを観光し、見返し坂を通って帰って来るのがいいでしょう。
私は興味があったので全部行きましたが、見返し坂は道路が整備されて昔の面影もありませんので、興味のある方以外はコースAかBでもいいと思います。坂道はつらいですし(笑)
比奈駅を出発

それでは、比奈駅を出発します。駅名の表示が竹でできており、竹取物語のゆかりの地であることを物語っています。
竹採公園までは、駅前の道をひたすら北に進みます。

10分ほど歩くと案内板がありますので、右に曲がるとすぐです。
道なりに右ではなく、進んできた道から垂直に右に曲がります。(竹の形の看板が見えると思います。)
竹採公園

こちらが、今回のメインスポットである竹採公園!
数台分の駐車場もあり、自動車でのアクセスも可能です。
かつては、このあたりを「竹採屋敷」、この南側を「籠畑(かごはた)」と呼んでいました。籠畑はおじいさんが竹を切ってかぐや姫を見つけた場所で、かぐや姫が育った地でもあります。
滞在時間
小さな公園ですので、滞在時間は15~25分程度でしょう。
歩くだけなら5分で回れてしまう道のりですので、気軽に散策できます。
開園時間・アクセス
開園時間 | ( 3~9月)8:30~18:00 (10~2月)8:30~17:00 |
休園日 | 木曜日、12/29~1/3 |
入園料 | 無料 |
駐車場 | 数台分あり |
白隠禅師の墓

沼津出身で、臨済宗中興の祖と称される白隠禅師(はくいんぜんじ)は、この場所にあったとされる無量寺の再建に力を入れました。
彼の書物の中で竹取物語について触れており、赫夜姫(かぐやひめ)生誕の地がここであると記しています。そして、その白隠禅師の墓も竹採公園の中にあります。
竹取塚

富士溶岩の石を積み上げ、その上に「竹採姫」と書かれた丸い石が置かれています。
先ほどの白隠禅師の書物でも触れられていますが、いつだれが作ったものなのかは不明なんだとか。
妊婦さんが撫でるとかぐや姫のように美しい子が生まれるとされています。
見返し坂

かぐや姫がおじいさん、おばあさん、国司に別れを告げて1人で富士山に帰るとき、別れを惜しんで何度も振り返ったことから、見返し坂(見返り坂とも)と呼ばれています。
実際の見返し坂があったとされる場所は別の場所にありますが、竹採公園の見返し坂は、かつての見返し坂の様子を再現したものです。
この竹藪の中を帰って行ったのだと思うと、かぐや姫は1人寂しい思いをしながら帰ったのではないかと思います。
切ないですね。
大池

こちらは、かぐや姫が天女の姿になったとされる大池です。
実際には富士山の頂上にあったとされているので、再現したものと思われます。
大きく変わってしまったかぐや姫にショックを受けて身を投げた国司を思うと悲しいですね。
瀧川神社

さて、竹採公園から歩いて5分ほどの瀧川神社へやってきました。
おじいさん(竹取の翁)を祀る神社です。
滝川神社は現在でも「滝川の浅間さん」と呼ばれていますが、竹取の翁を祀っていることから、江戸時代以前には「原田浅間社」や「新宮」、または「父宮」などと呼ばれていました。
ここからは、坂道を上り、囲いの道と、見返り坂を見てきました。
竹採公園に行くときに曲がった交差点を北に進み、高速道路のガードを超えた右カーブの途中で左の細い道に曲がります。
ガードをくぐった先に左に細い道が2つありますが、2つ目の道ですのでお間違いなく。
囲いの道

こちらが、かぐや姫が国司に会うときに通ったとされる道です。富士山に続いていたとされ、かぐや姫が富士山に帰るときにも通ったとされています。
囲いの道を登り切ったら右に曲がり、さらに歩いて大きな道に出たら右に曲がり、信号を超えたあたりが見返り坂です。
坂を上りながら見返り坂を探しましたが、中々わからなくて信号機の周りで右往左往してしまいました。
今では、整備された普通の道となっているので、当時のかぐや姫を想像しながら歩きました。
見返り坂

こちらが見返り坂です。今では、整備されて面影が亡くなっているようですが、かつては竹採公園の見返り坂のように竹に囲まれた細い道だったのでしょう。

寒竹浅間神社

こちらは、かぐや姫を祀っている寒竹浅間神社であり、かぐや姫を育てた老夫婦の屋敷があった場所と伝えられています。小さな公園になっており、地元の憩いの場となっています。

寒竹とは、竹の一種で、高さ2~3メートルになります。
この地に同社が鎮座する理由も、周辺が竹林に覆われた物語の舞台に相応しい様相だったことが影響すると考えられているそう。
まとめ
いかがでしたか。
富士に伝わるもう一つの竹取物語のゆかりの地を回りながら、
かぐや姫のちょっと切ない物語の世界に触れてみてはいかがでしょうか。